Fy2017

2017年度 最終レポート課題

事業、または、研究計画書を作成せよ (ページ制限なし)。

- 全予算は 100億円を超えないこと (衛星計画の場合は打ち上げ費用を含まない)
- 開発/準備期間は5年以内、実務や研究期間は1年以上 (最低1年間の研究や運用コストは含めること)
- 目的、背景、独自性、最大5年の開発および準備計画 (具体的に何をどのように進めるのか、支出計画などを各年次に分けて書く)、最低1年間の実務や研究計画 (どのような事をして、どこまで達成するのか)、リスクの評価 (例えば、当初の支出計画の50%オーバーとなった時にどのように対処するか)

「高エネルギー宇宙線の起源解明に向けた高出力レーザーを用いた磁化プラズマ中を伝搬する無衝突衝撃はの生成実験」35616006 冨谷 聡志 レポート

坂本コメント: 実験室宇宙物理という手法を用いて、高エネルギー宇宙物理現象において様々な場面で登場する無衝突衝撃波を実験室内で再現し、その物理に迫るという研究目的である。非常に現実的な研究計画書であり、実験だけでなく、理論的な側面からも問題を解決しようという姿勢が見て取れる。ただし、個人的にはもっと大きな「夢」が、計画書から読み取れると良いと思った。例えば、研究計画書では阪大のレーザー光施設を使用して実験する事になっているが、筆者の経験から、わざわざ阪大に行って、限られた時間でしか実験できない事にストレスを感じたと思う。それならば、いっそうの事、青学に多少、小規模になってしまっても目的を達成できるレーザー光施設を作ってしまうという計画でもいいとも感じた。

「図書館カフェ」35617001 李 在綱 レポート

坂本コメント: 韓国に出店数の少ないコーヒーマニュアにアピールできるような図書カフェを開店するという提案書である。提案者は実際にカフェを運営した経験があり、カフェを経営する上でのノウハウには長けているように思われる。図書カフェというカフェが、どの程度ユニークなカフェ形態であるかが述べられていないため、どの程度マニア層に受けるのかの判断が難しい。日本同様、韓国においても多くのカフェが乱立しているため、個性的で客にとってはまた通いたくなるものでないと成功しないように思う。例えば、おいしいコーヒーにこだわるのであれば、個人でやるのは難しい、コーヒーのローストは店頭でおこなうなどの工夫があると、客としては、また通いたくなるカフェになるのではないか。

「ドローンを用いたリアルタイム野生動物映像配信」35617004 加藤 誠也 レポート

坂本コメント: 普段は見ることのできない野生動物の生態をドローンを用いて撮影し、その映像をユーザーがいつでも閲覧できるようなサービスを提供するという提案書である。この提案のユニークな点は、野生動物の生態をユーザーがリアルタイムで閲覧できるという点であり、そのため、ユーザーがまさにその場にいるような臨場感がもてる。提案者はアメリカのイエローストーン国立公園を撮影場所として挙げているが、提案者からもリスクとして述べられているが、やはり豊富なコンテンツを提供するという観点から撮影場所が一箇所というのは物足りない気がする。また、運用上、月額500円という料金で3万人の会員を集める必要がある点も達成するのが難しいかもしれない。例えば、旅行代理店や航空会社などとタイアップし、映像を閲覧したユーザーが実際に野生動物を見に行けるツアーを提案/提供できれば、企業からの広告費も期待できるのではないかと思う。

「ヘリコプターを用いた旅客・貨物輸送」 35617005 金坂 拓哉 レポート

坂本コメント: ヘリコプターが得意とする中距離間の移動をターゲットとしたヘリコプターを利用した輸送ビジネスの提案書である。交通機関が発達していない地域間の移動や海を超えての移動など日本国内には多くのニーズが期待できる。利用者は新設するヘリポートで搭乗する方法とタクシーのように直接迎えにきてもらう2通リの方法を提案している。NHK のプロフェッショナルでヘリコプターを利用した救急医療をおこなっている方が紹介されていた (リンク)。このドクターヘリでは、救急医療という時間との勝負となる現場で、救急車では渋滞などに巻き込まれて救助が間に合わない、または、救急車では搬送が難しい孤島などへの出動で活躍していた。そのため、このヘリコプター輸送ビジネスもうまく運用すればニーズはあるように思う。ただし、現在の提案書で難しいと思われるのは、100 km 2万円という利用者の料金設定である。先程紹介したドクターヘリも一回あたりの出動に150万円程度かかるそうである。そこで、プロジェクトの最初は利用者のターゲットを移動時間などを惜しむ政治家 (河野外相が移動用にヘリコプターをおねだりしたという事はニュースになっていた)や会社社長などにしぼり、利用料金を高めに設定(例えば飛行機のファーストクラス程度の料金)し、ビジネス基盤をしっかりと確立させるのが良いかもしれない。

「流星発生衛星の開発」 35617007 児玉 大志 レポート

坂本コメント: 人工衛星から人工的な流星を放出して、衛星を用いたエンターテイメントを提供したいという提案書である。提案者は、宇宙開発という現場をもっと身近に一般社会に提供する事で、新たな可能性を見いだせるという背景がこのプロジェクトにある。現在、宇宙開発をとりまく状況は非常に厳しくなっており、JAXA だけに頼った開発(つまり、国レベルでの開発)は予算が限られており、ほとんど不可能という状況になりつつある。私自身、一般社会(あるいは民間)を巻き込んだ宇宙開発をどれだけ進まられるかが、衛星を用いた宇宙観測を主として研究をしている我々の生き残りを決めるのではないかと考えている。実は、人工的な流星を衛星で作り出すエンターテイメントというアイディアは民間企業 ALE という会社で進められており、ALE 社の衛星は 2018年に打ち上げられる予定のようである (リンク)。提案者はエンターテイメント性をミッションの目的としているが、エンターテイメント性だけでなく、この実験を通して流星の発生メカニズムの物理に同時に迫れれば提案書としてもっと強力なものになると思う。

「都心にジムを建てる計画」 35617009 小舟 雄登 レポート

坂本コメント: 新宿に手ぶらでいけるジムをつくり、ウェイトトレーニングの楽しさを多くの人に理解してもらいたいという提案書である。会員一人一人に専用のロッカーが与えられているため、利用者は手ぶらでジムに行くことができ、施設には充実したジム器具だけでなく、シャワーやお風呂も設置するため、トレーニング後もリラックスできる空間も提供できる。調べてみると、お風呂まで完備しているジムというのはそれほど多くないように思う。新宿では、東急スポーツオアシス24プラス (リンク) が提案者が考えているジムに近い感じはする。個人的にはもう一歩踏み込んで、一点でもよいので、他のジムには決して経験できないユニークな特徴があると利用者を取り込む事ができるのではないかと思う。例えば、上で挙げた東急スポーツオアシス24プラスは、お風呂はあるが、汗を流す程度のお風呂であり、スポーツジムであるため、プールが充実している。私の場合、本格的なお風呂が好きで、かつ、最近たるんだ体が気になるので、ジムでトレーニングをした後は本格的な温泉に入ってリラックスできる施設があれば、会員になろうと思う。

「日常生活での諸動作及び運動、スポーツが脳に与える影響についての総括的な研究とその応用」35617010 篠田 理人 レポート

坂本コメント: 本研究は人間の動作が脳に与える影響を科学的に明らかにし、最適な運動を提案する事を目的としている。大きな社会問題になっている、メタボリックシンドロームなどの運動不足から引き起こされる医療費の増加は膨大な経済損出を生み出している。また、うつ病などの精神疾患や脳機能の疾患には適切な運動が重要な役割を与えると考えられている。提案者は、運動が与える影響をfMRI を用いた脳科学的なアプローチ、光遺伝学を用いたアプローチ、そして、ニューロンやシナプスなどの働きをコンピュータ・シミュレーションで数値的にアプローチするという大きな3本柱で問題に解決するとしている。提案者が提案している、異なる分野の研究手法を合わせて、問題解決にあたるという研究は「異分野間交流研究」などと呼ばれ、国としてもその促進を呼びかけているものである。提案書でも述べられているが、大きな問題は計測機器が非常に高価である点である。この辺りは本当に必要な開発だけにしぼり、現状、すでに大学や研究機関で設置されている計測機器が利用できるのであれば、その大学や研究機関の研究者を本提案書に研究協力者として取り入れ、本研究目的を達成するための測定を分担してもらうという方法などを取り込み、目標達成のための研究体制づくりが必要だと思う。

「フィットネスジムの経営」 35617011 菅野 一登 レポート

坂本コメント: 本提案は週2回程度で、一回 30分から1時間程度のワークアウトで、理想的な体型を取り戻すジムを作るというものである。提案者自身の経験を元にした事業計画であり、提案者本人も約1ヶ月のワークアウトと糖質制限で体型を大きく改善できた体験から、体型改善は難しい事ではないという事を広く伝えたいという希望がある。この提案と類似する事業で、急成長しているものとして「ライザップ」がある。ライザップもワークアウトとしては週2回程度で、徹底した食事管理をトレーナーとともに行うというものである。ガイアの夜明けで放送されたライザップの特集番組において、ライザップは現在、不況に喘いでいる企業の再生事業にも進出して大きな成果を挙げているとの事である。自分の体型を決められた期間内に取り戻すという「結果」を見える形にするという明確な目標設定が、企業再生に役立つのだと言う。事業として成功するためには、この業種で一人勝ちな雰囲気のあるライザップとどれだけ差別化したサービスが提供できるかが鍵のように思う。ライザップにはない、ユニークな特徴をアピールできる提案書になっているとより魅力が増すように思った。

「月面位置測位システムの開発」 35617012 手塚 晃 レポート

坂本コメント: 近い将来に本格化すると考えられる月の探査/開発においての大きな課題が、高い精度で探査機などを月面に着地させる事の難しさがある。本提案では、月面に小型の発信装置を月全体にいくつも設置する事で、その後の月面探査機やローバーなどは、その発振装置からの信号を頼りにピンポイント着陸や月面探査が可能になる。月の探査は各国で進められており、提案者が提案するような発振装置が月面に設置されれば、今後の月の探査や開発においても大きなメリットがあるように思う。月に望遠鏡を設置する計画や人を移住させる計画など、様々あるが、定期的に物資を月へ運ぶ事への費用が膨大となり進んでいないように思う。しかし、アメリカでは Space X 社が民間会社として、火星まで物資を運ぶ事のできるロケット Falcon Heavy の打ち上げ試験に成功し、月や火星への探査が比較的低コストで実現できる時代が見えてきた。提案書では、具体的にどのような発信装置を月面に設置すれば、月面位置測位システムとして機能するのかが述べられておらず、実現性の判断が難しいが、アイディア自体は面白い。世界的な月面開発の時期に合わせて、提案者の月面の位置測位システムを設置できると世界的な宇宙開発に貢献できるように思う。

「自動車駐車場の利用状況公開とその予約システムの開発」 35617014 遠田 裕史 レポート

坂本コメント: 目的地や現在地近郊の自動車駐車場の検索のみでなく、現時点での利用状況、そして、空いている場合は予約までできるシステム(アプリ)を開発するという提案である。このシステムはドライバーだけでなく、予約により利用者を確保できるため、駐車場の管理者にも大きなメリットがある。提案者の主張にもあるように、近隣の駐車場を検索できるアプリは山のように存在するが、その利用状況や出発まえに予約できるアプリは存在しない。私自身もなぜ、駐車場の利用状況がわからないんだろうと駐車場検索アプリを利用しながら思う事が多々ある。この提案者の事業提案は即刻、実現してもらいたいと強く思う (遠田君、ベンチャーでも企業して、早速始めては? 開発経費などは山崎さんに面倒をみてもらって… 半分冗談ですが)。タイムズのような無人の駐車場は、駐車場内のどこに車が駐車されているのかという情報は、その駐車場内に設置されている料金などの支払をする無人装置ですでに分かっているはずなので、計画書にもあるように、あとは、この情報をネットワークに載せるだけで、簡単に利用状況の提供は可能だと思う。予約システムを実行するためには、現状の無人システムの改良が必要となるとは思うが、それほど大規模なものにはならないと考えられる。この事業計画書は、提案者が駐車場を利用する時に感じた大きな疑問や不満が形になったものであると考えられ、そのようなものには新たな事業としての大きな可能性があると思う。計画書では郊外まで含めた全国にこのシステムを拡大する狙いが書かれているが、全国の主要都市までは明らかに多くの利用者が見込めるとは思うが、郊外となると多少の調査をした上で、十分なニーズが見込めるとの判断の後に進める方がリスクが少ないように思った。

「奨学金機構の設立」35617015 冨樫 拓也 レポート

坂本コメント: 利子や保証料のない、貸与型の奨学金の運用をしたいという提案である。現状の日本の大学生向けへの奨学金は、利子や保証料がかかる貸与型の奨学金であり、その返済額は膨大なものとなり、学生が社会人になった後も多くの年をかけて返済していく必要がある。政府は高等教育の無償化を推し進めているが、その給付は財源などから親の所得の低い家庭に限定されるとなっている。提案者は、親の所得ではなく、学内の成績で給付の有無を判断し、給付生には授業の要点や大学を紹介する動画を作成するという貢献を求めるという内容となっている。私は、授業中にも話したが、現在、政府が進めようとしている高等教育の無償化は単なるばらまきになる事がやる前から明白であり、このような高等教育の無償化は大学生が望んでいるものになっていないように思う。もっと深く考えると、そもそも「高等教育の無償化」という事がでてきた背景には、大学などの受験料、入学費、授業料などが非常に高い事がある。大学の授業料は国立でも私立でも、年々高騰しており、下がる傾向には全くない。提案者が提案する奨学金をより多くの学生に効率的に分配するためには、そもそもの大学の入学費や授業料を安くする対策も同時に進めていく必要があるように思う。提案者が提案している、奨学生による大学を紹介する動画の提供は、本格的なものが作られれば、大学の広報課などで働く職員を削減でき、大学の運営費用削減につながる可能性がある。大学の入学金や授業料が削減する努力を学生と一体となって考える事が、提案者が提案する奨学金機構の成功へともつながっていくと思う。

「統計データ処理による才能発掘プロジェクト」35617017 橋本 達也 レポート

坂本コメント: 「人間は誰しも何らかの才能を持っているのか」という事を調べるため、才能が発揮されている方々と一般に人達に対してアンケートを実施し、これらのデータを比較する事で才能の有無を調べるという提案である。自分に埋もれている才能が、この調査を通して分かれば、そちらの方に自分の可能性を試してみる良いきっかけになる。懸念は、現在、大活躍をしている方々にアンケートをしても、その方々が切磋琢磨していた時期のデータではないという点かもしれない。また、多くのそのような方が、自分は才能があると考えていない方も多いと思う 。この提案は、提案書に述べられている才能の種類と関係する業種、例えば、テニスだったらテニススクールとタイアップする事で、このプロジェクトでテニスの才能ありとなった方には、プロのテニスプレイヤーになるためにはどのような道があるのかという事まで導いてくれるものになっていると面白いと感じた。

「深海探査」35617018 松川 昌平 レポート

坂本コメント: ほとんど探査が行われていない、深海の約70%を占める深度 3000-6000 m の深海を無人潜水艇を用いて生態系や海底鉱物の調査を行うという提案である。日本には海洋開発研究機構のしんかい6500 という、その名の通リ 6500m まで潜る事のできる潜水調査船があり、2012年までに 1300回の潜航に成功している。このしんかい6500 の制作費は 125億円という事である。提案書ではしんかい6500について述べられていないが、しんかい6500 と比較して、提案者が提案している無人探査潜水調査船がどれだけ優れているのかの議論が必要だと思う。中国はしんかい6500の半分程度の開発費で7000mまで潜れる潜水調査船を開発したそうである。現在未開拓な領域は、深度 10000mを探査できる潜水調査船ではないだろうか。その未開拓な深度に挑戦する潜水調査船の開発とした方が提案書としては魅力的なものになるように思う。

「磁化プラズマ中を伝搬する無衝突衝撃波の生成実験」35617020 宮田 親 レポート

坂本コメント: 高エネルギー天体現象で良く登場する無衝突衝撃波を実験室で再現し、その未解明な物理を調べるという提案書である。本研究は山崎研で、現在進められており実現可能性は非常に高く、また、得られた実験結果をシミュレーションと比較する所までを研究計画としている。個人的には、現在研究室で行われている実験計画の枠を超えた提案が見たかったというのが率直な感想である。この課題レポートでの予算は (現実ではありえない) 100億円という設定であったため、もっと大きな研究に対する夢がみたい。提案者が無衝突衝撃波の生成実験をしていて、予算があれば、こんな事もできるはずなのにという不満や希望がいろいろとあると思う。個人的な経験から、この不満の中に新しい研究へのアイディアが潜んでいる事が多くある。不満をこれが現実だからと受け流さず、それを力に新たなことに挑戦するパワーが研究者に求められるのではないかと思う。

「ギター教室」35617021 宮原 拓紀 レポート

坂本コメント: 人気の高い楽器であるギターのレッスンを、特にギターは手に入れたが途中で挫折してしまった方々をターゲットに行うという提案書である。利用者を増やすため、無料で1人一回までスカイプにてレッスン体験ができるなどの工夫もある。提案書のリスク評価にも書かれているが、利用者をどうやって継続的に確保するかが課題だと思われる。ギター教室は様々な所で行われており、ヤマハなどの大手の音楽教室との差別化が重要になる。おそらく、ギターを持っているが途中で断念している人は、私のような中年層に多いと予想され、中年層は自分の仕事があり、レッスンに通う時間がないように思う。そこで、完全なオンラインによるレッスンにするというのはどうだろうか。レッスンを開くための場所を賃貸する必要はなく、利用者も自分の開いている時間に自宅でレッスンが受けられる。オンラインでのレッスンでどれだけ利用者が満足するか未知だが、オンラインでの予備校や大学の授業などもある事を考えるとそれほどハードルは高くないように思う。

「自転車事故防止のための道路整備」35617023 山崎 敦義 レポート

坂本コメント: 提案者が実際に乗っていた自転車と走ってきた自動車との事故による体験から生まれた提案で、自転車が安全に走れるよう自転車優先レーンや道路標識を整備する事を目的としている。確かに、日本の道路は狭く、自転車と自動車とが安心して走れる道路は非常に少ない。また、最近のサイクリングの人気で、自動車道路の真ん中を堂々と走る迷惑な自転車も急増している。提案者も述べているように、究極の対策は道路を拡張し、自転車が安全に走れるようにする事であるが、実現するのは政治家にならない限り難しい。標識や塗装をして自転車が安全に走れる場所を確保するという提案であるが、そもそも道が狭い日本では、自動車を運転している人は標識をあまり気にせず運転する可能性が高い (十分な抑止力にならない) 事はないだろうか。まずは、自転車を運転している人が自分たちの安全を守れるように、GPS などを使用して、自転車の周りの車の様子を随時モニターできるような小型のデバイスを自転車に取付け、自動車が近づいたら自転車を運転している人に警告を発信するというものがあるだけでだいぶ状況は変わるのではないか。究極的には、このデバイスが近くの危険な自動車に通信し、強制的に自動車にブレーキをかけるなんて事まで実現したら、多くの自転車事故を防止する事ができるのではないだろうか。

「通信大学による物理学科開設の提案」35617024 渡邉 翼 レポート

坂本コメント: 通学しなくて済む、通信制の物理学科を有する大学を開校し、多くの時間やお金を有する通学の問題を解決したいという提案である。日本には本格的にオンラインで学べる大学は非常に少ない。日本の大学は、いつでも、どこでも、必要な時に学べる場所となっておらず、アメリカでは一般的な、一度社会人になった後に大学や大学院に入り直して、自分のキャリアアップのために勉強するという学生は少ない。提案者が提案している通信大学構想は、通学が大変な学生にニーズや利点があるだけでなく、学びたいと思った時、本格的に学べる場所を提供するという意味でも重要である。多くの優秀な博士号を取得した研究者が2-3年で職を転々としなくてはいけない現状(ポスドク問題)を考えると、このような優秀な研究者の雇用をうむという意味でも意味のある計画だと思う。少子高齢化で学生の人数が少なくなり、大学の経営は難しくなる事が予想されるが、ターゲットを高校の延長の若い大学生だけでなく、社会に一度出た社会人や退職した人など広くする事で十分な学生数を確保できるのではないだろうか。

「高温超電導を用いた量子コンピュータの開発事業」35617058 松丸 周 レポート

坂本コメント: 量子化磁束の重ね合わせを利用した量子コンピュータを開発するという提案書である。近年、価格が高騰している液体 He でなく、液体窒素で動作可能な SQUID素子を開発し、量子コンピュータを設計するという目的となっている。量子コンピュータの実現には様々な方法があるが、提案者が述べている量子化磁束を用いた方法が他の方法に比べてどれだけ優れているのかが述べられていないため、この手法の優位性の判断が難しい。この提案している方法で、量子計算をさせるためには、SQUID 素子の開発だけでなく、多くの量子化磁束を安定的に存在させる技術も必要になるように思う。そのため、今の計画書で、もし開発が行き詰った場合どのように対応、または、対処をするのかのリスク評価が明確になっている必要があるように思う。

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